観葉植物の用土選びで最も重要なのは、**「水はけと通気性」**です。
根腐れ防止に優れた効果を発揮するのが、宮崎県で採取される日向土(ひゅうがつち)、通称ボラ土と呼ばれる軽石系用土です。
粒が硬く崩れにくいため、鉢底石として、または水はけを改善するための用土として長期間活躍します。
この記事では、観葉植物屋の視点から、日向土の特徴・メリット・デメリット、そして初心者でも失敗しない使い方を徹底解説します。
よくある質問
配合の例はありますか?
日向土(ボラ土)とは
日向土(ひゅうがつち)は、火山活動によってできた多孔質の軽石系用土です。特に宮崎県の日向地方で採取される「日向土」が有名で、「ボラ土」とも呼ばれています。これらの用土は粒がしっかりしていて崩れにくく、水はけや通気性の向上に役立ちます。
日向土(ボラ土)の特徴
粒が硬く崩れにくい
【植物への効果】 長期間水やりを繰り返しても土の粒が潰れないので、土の中の空気の通り道(通気性)をずっと維持できます。植え替えの頻度を減らせるメリットにも繋がります。
水はけが良い
【植物への効果】 鉢の中に水分が溜まりっぱなしになるのを防ぎ、根腐れ(根が酸欠でダメになること)のリスクを大幅に減らします。特に水やり頻度の感覚が掴めていない初心者の方におすすめです。
無菌で清潔
【植物への効果】 赤玉土などと異なり、最初から病原菌や害虫の卵が混入している心配が少ないため、挿し木や種まきにも安心して使えます。
日向土(ボラ土)のメリット
根腐れ防止に効果的
【最も重要な利点】 日向土の優れた排水性により、水やりの失敗による根腐れリスクを大幅に減らせます。特に「水やり加減がまだ不安」「ついつい水をやりすぎてしまう」という初心者の方が、安心して植物を育てられるようになるのが最大のメリットです。
長期使用でも劣化しにくい
【手間とコストの削減】 赤玉土や鹿沼土は徐々に水で崩れて泥状になりますが、日向土は硬いため形が崩れず、土の通気性を長期間維持します。これにより、植え替えの頻度を下げることができ、植え替えの手間や用土のコスト削減に繋がります。鉢底石として使えば、ほぼ永久的に使用可能です。
無菌なので安心
【挿し木・株分けに最適】 天然の鉱物であるため、最初から病原菌や雑草の種、害虫の卵の心配がありません。デリケートな挿し木(さしき)や種まき、発根管理など、清潔な環境で新しい根を育てたいときに、安心して使える用土です。
日向土(ボラ土)のデメリット
保水力が低い
【解決策】 乾燥を嫌う植物(例:シダ類、アジアンタムなど)に使用する場合は、日向土を全体の3割以下に抑え、赤玉土や腐葉土といった保水力のある用土を多めにブレンドしましょう。乾燥が苦手な植物の「水切れ」を防げます。
栄養分が含まれていない
【解決策】 日向土には肥料分がないため、ブレンドする用土に加えて、植え付け時に**粒状の緩効性肥料(マグァンプKなど)**を混ぜ込むか、液体肥料を水やりごとに与えましょう。
軽いため風で飛ばされやすい
【解決策】 ベランダや屋外で使う場合は、鉢の一番上の土(表土)に、**赤玉土や化粧砂(まさ土など)**といった少し重い土を1〜2cm敷くことで、風による飛散を防げます。
日向土(ボラ土)の使い方
ポイント: 日向土は崩れにくく、鉢底石として最適です。
使い方: 鉢の高さの約1/5〜1/4を目安に敷き詰めます。この上にネットは不要ですが、細かい粒が気になる場合は鉢底ネットを敷きましょう。
おすすめ粒径: 大粒、または中粒。
ポイント: 既存の用土と混ぜることで、水はけ・通気性を向上させます。
使い方:
通常の観葉植物(パキラ、モンステラなど): 全体の1〜3割を混ぜる。
乾燥を好む植物(多肉植物、サボテン、塊根植物): 全体の5〜8割と、有機物(腐葉土など)を少量混ぜる。
おすすめ粒径: 小粒、または中粒。
ポイント: 無菌で清潔、かつ水はけが良い日向土は、根を出させるための挿し木(さしき)用土としても優れています。
使い方: 日向土のみ(または鹿沼土と半々)を使い、挿し穂を植え付けます。清潔な環境で根の成長を促せます。
おすすめ粒径: 小粒。
まとめ&(よくある質問)
日向土(ボラ土)は、根腐れ防止や水はけの向上に優れた軽石系用土です。
特に乾燥に強い観葉植物や多肉植物、鉢底石としての利用に向いています。
保水性が低いため、湿度を好む植物には他の用土とブレンドするのが理想的です。
植物の特性に合わせて上手に活用し、元気な観葉植物を育てましょう。
- Q日向土は水で洗ってから使った方がいいですか?
- A
細かい粉が出ることがあるため、気になる場合はふるいにかけたり、軽く水で洗い流してから使うと、より通気性が良くなります。
- Qどのくらいのサイズ(粒径)を選べばいいですか?
- A
小粒は保水力を少し上げたいとき、中粒は鉢底石や大きな鉢のブレンド用、大粒は鉢底石としておすすめです。植える鉢のサイズによって使い分けましょう。
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